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偉大なニューワールドのピノ・ノワールはこうして造られる(2016年4月「ガーディアン」掲載記事訳)

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コルチャグアにあるオーガニック葡萄畑の景色です。道路には何もありませんが、葡萄の樹と樹の間には草花が生えていて、よりサステイナブルな環境を作っています。

「90年代より前は、地方の葡萄畑では除草剤がたくさん使われていて、私たちも農薬を使って雑草を枯らしていました。今は、[オーガニックの]葡萄畑はとてもカラフルです・・・たくさんの草木や植物に溢れています。」(葡萄畑管理者のグレゴリオ・マウレン氏)

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チーフワインメーカーのアドルド・フルタード氏が、近年のヴィンテージのコノスルワインをテイスティングしている様子です。

ワインメーカーの仕事のひとつは、自らが手がけたワインや世界中で造られるワインのアロマやテクスチャー、味わいなどを、頭の中のカタログに記録しておくことです。

これを実践する方法はただ一つ、コンスタントにワインをテイスティングすることです。アドルフォはほぼ毎日、仕事中にテイスティングをしています ― 瓶詰めされたワインだけでなく、セラーで寝かされている樽やタンクの中のあるワインも。

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コノスルでは殆どの葡萄をステンレス製のタンクで発酵させています。長年に渡る経験から、ピノ・ノワールはオープン・トップ(天井のないタイプ)のタンクで優しく発酵させるのがベストであることを突き止めました。

ピノ・ノワールのデリケートな果皮を考慮し、よりデリケートな方法で発酵させています。

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コルチャグアの葡萄畑で働くコノスルのワーカーたちは皆、毎日、自転車でワイナリーへ通勤しています。自転車通勤は、この葡萄畑が民営化された約半世紀前から続いている伝統です。

ワーカーたちに寄せた叙情詩、また、サステナビリティを約束するワイナリーとして、コノスルは「ビシクレタ(自転車)」レンジのワインを造り、メインラベルに自転車のイラストを描きました。

写真にある巨大な自転車は、ワーカーたちへのもう一つのオマージュ。私たちを見てのとおり、この自転車に上るのはとても楽しいです。(写真左:コラム著者、アマンダ・バーンズ/写真右:コノスルのブランドマネージャー、マリア・ノエル・アロンソ)

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アンデス山脈と太平洋の間には、ワイン造りに理想的な地勢が広がっています。この写真はサンアントニオにある、海風の影響を受けた冷涼な気候の葡萄畑です(カンポ・リンド葡萄園)。

海岸に近い場所にあり、早朝は海から発生した分厚い霧が葡萄畑一面を覆って葡萄を冷やし、日中は暖かな日差しが降り注ぎます。夕方になると沿岸部から吹いてくる冷たい風が再び葡萄畑一帯を冷やし、夜を迎えます。

この暖かな日差しと冷涼な気候の組み合わせが、ワイン造りに理想的なのです。

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このバレルセラーは、このワイナリーの中で一番ムードのある場所。樽熟成はどのワインにおいてもキーとなるプロセスです。

ワインのグレードや品種によって異なりますが、熟成期間は数か月から数年です。イメージしたアロマを得たり、最適なレベルに酸化熟成させるため、コノスルではそれぞれのワインごとに新しい樽と古い樽を使い分けています。

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ルイス・リヴェラ氏が、彼の忠実な仲間「ガチョウ」に餌をやっているところです。

リヴェラ氏はコノスルに最初のガチョウが来た1993年からずっとガチョウの世話をしています。ガチョウの数は年々増え続け、現在では500羽を数えるまでになっています。

ナチュラル・ペスト・コントローラーとして活動するガチョウは、コノスルのワイン造りに欠かすことの出来ない重要な役割を担っており、葡萄畑がオーガニックであり続けるための大きな力になっています。

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コノスルがコルチャグアの葡萄畑の前所有者から受け継いだ、樹齢が高いピノ・ノワールです。

この古いピノ・ノワールは、チーフワインメーカーのアドルフォ・フルタード氏の心を捕えて離さず、彼はこの悪名高く難易度の高い品種でのワイン造りをマスターすることが自らの使命であると考えるようになりました。

その後、コノスルは世界最大級のピノ・ノワール生産者となり、世界で最も成功したピノ・ノワール生産者としての道を歩んでいます。

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収穫した葡萄を慎重に選別しているところです。

葡萄畑ではまず、収穫を担当するワーカーたちが1回目の選別作業を行います。健康な房だけを収穫するのです。

ワイナリーに運び込まれたその葡萄は、今度は選別台の上で注意深く選別され、最高の状態にある葡萄だけが選ばれます。葡萄の葉はここで全て取り除かれ、発酵用のタンクに入らないようにします。

選別された果実はベルトコンベヤーで上の階へ運ばれ、ステンレスタンクの中へ投入されます。ここで発酵が始まり、葡萄がワインになるための旅が始まります。

Photograph: Santiago Soto Monllor

※このコラムは、2016年4月22日付でイギリスの大手一般新聞「ガーディアン」に掲載された記事(無料)を本ウェブサイト向けに訳したものです。元記事はこちら

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