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パトリシオ・コルネホ氏:南米最大級ワイナリーのセラー管理者(2016年4月「ガーディアン」掲載記事訳)

パトリシオ・コルネホ氏は、18歳の時にワインセラーの管理者としてコノスルで働き始めました。それから18年間、コノスルのチームの一員として働き続けています。ワインセラーの管理責任者としての彼の任務は、コノスルのトップワインであるオシオ、シレンシオ、20バレルシリーズ用の樽が適切なコンディションであるかどうかをチェックすることです。毎日、数百を超える樽をチェックしています。また、彼には4人のボス(それぞれ言うことが違うワインメーカー4人)がいて、その対応にも日々奮闘しています。

出身地は?

コルチャグアのペラリージョです。家から5分ぐらいのところにコノスルの葡萄畑がありますが、初めてワインを意識したのは18歳のときにインターンシップでコノスルに来た時です。なので、働き始めた時にはワインのことは全く知りませんでした。知っていたのは、ワインはパーティーや家族が集まった時に飲むもの、という程度でした。

ワインへの関わり方は変わりましたか?

それはもう!今やワインは私の生活の全てです。家に帰った後も、妻とワインを飲みながらその日にあったことを話し合っています。18歳でコノスルに来た頃は、コノスルもまだ立ち上がったばかりでした。なので、コノスルと一緒に成長してきたという感じがしますね。

ワインセラーでの仕事は好きですか?

ええ、とても。毎朝起きて仕事に行くのが楽しみです。1日1日が全く違っていて、年ごとにも違うし、収穫の状況も全然違います。

一番満足している部分は何ですか?

(コンクールなどで)受賞した時は嬉しいですね。ともにハードワークしている仲間と喜びを分かち合うことができ、幸せな気持ちになります。働いている環境もすごく良いです。まるで家族と一緒にいるような気がします。

仕事上、ちょっとやりにくい部分はありますか?

うーん、強いて言えば4人のボスがいることでしょうか・・・。4人のワインメーカーが私のボスですが、キャラクターが全然違っていて、時々全く違うことを言ってきたりするので。ですが、4人とも同じようにワインに対する情熱を持っているので、そうしたことも楽しみのひとつですね。

セラーでの仕事が一番大変になる時期はいつですか?

それは間違いなく、収穫の時期ですね!もう、めちゃくちゃ大変です。仕事は本当にハードだし、チャレンジしなければならない部分もあります。ですが、このチャレンジは楽しいですよ。

ワイナリーで好きな香りはありますか?

たくさんありますね。どの葡萄にもそれぞれのアロマがあって、醸造が進んでいくとまた違ったアロマが出てきます。そうですね・・・、パンピングオーバーの時や、ワインを樽に移し入れる時、あとはワイナリーの中でテイスティングが行われている時の香りなどが好きですね。

管理している樽の数は?また、樽はどこから調達している?

数は1,000個以上で、すべてフレンチです。この15年間、フレンチのみ購入しています。ピノ・ノワールと白ワインにはブルゴーニュの樽を、それ以外の赤ワインにはボルドースタイルの樽を使っています。焼き方はミディアムかライトです。ワインのフレッシュさやフルーティーな個性を表現したいので、そのようにしています。

発酵に使う容器はどうやって決めていますか?

葡萄の品種や、ワインのレベルによります。それによって、ステンレスタンク、樽、セメント製のエッグタンクなどを使い分けています。なんと、ステンレススチール製の樽もあるんですよ。例えば20バレルシリーズのシャルドネの場合だと、90%はフレンチーオークの新樽で、10%はエッグタンクで発酵させています。エッグタンクを使う理由ですが、口に含んだ時の複雑性を増すためです。レゼルバ・エスペシャルのソーヴィニヨン・ブランは、フレッシュさや果実味を際立たせるため、100%ステンレススチールタンクを使っています。

樽を管理するときのポイントは?

樽の中を常に満杯にしておくことですね。樽の中のワインは、年間3%の量が蒸発で失われてしまいます。ですので月に一度、その水位をあげてやる作業が必要になります。ワインが瓶詰めされて樽が空になったときは、室温を下げ、硫黄を使って洗浄します。

Photograph: Santiago Soto Monllor

※このコラムは、2016年4月27日付でイギリスの大手一般新聞「ガーディアン」に掲載された記事(無料)を本ウェブサイト向けに訳したものです。元記事はこちら

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